時代を包み込んで -同潤会アパート-

Nikon D700 + Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G

Nikon D700 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di

Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX

Nikon D700 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
思えば昨年は東京都に存在していた
貴重な近代建造物である九段下ビルが解体されました。
幸いそちらの方も私は解体直前に訪れる事が出来たのですが、
(ちょうど一年前の記事ですねw)
先日、その場所を通りがかってみると
そこにはもう九段下ビルは存在していませんでした。
まぁその後の解体のニュースは見ていたので分かっていた事なのですが
実際に無くなっているのをこの目で見ると、
たった一度撮影に訪れただけ、全く建物に縁のない私でも一抹の寂しさを覚えます。
この土地で育った人、縁のある人は尚更の事でしょうね。
次に私がこの場所を訪れる事があったとしても
おそらくその時にはもう、この同潤会アパートは存在していないのでしょう。
沢山の人の思い出を包んだまま
この建造物は時代の表舞台から姿を消そうとしています。


壁の重み -同潤会アパート-

Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
廃墟カテゴリに入れてしまいましたが この同潤会アパート、まだ現役です。
当然まだ入居されている人もいらっしゃいます。
なので中も見てみたい気持ちをグッと抑え、さすがに今回撮影は外観のみ

Nikon D700 + Nikkor AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G
年月を刻んだRC建造物の壁。趣がありますね。

Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX

Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
そもそも同潤会とは関東大震災の翌年、
復興計画の一環として内務省によって設立された財団法人の名称。
震災によって破壊された街中に建設されたこの同潤会アパートは
当時の最新建築技術と設備をもって建築されており、
建築当時は羨望のアパートだったと聞きます。
最後に残されたこの上野下アパートは昭和4年竣工。
建てられてから84年の間、様々な人達の生活を見てきたのでしょう。
そう思うと壁のキズひとつにも重みを感じます。


失われる姿 -同潤会アパート-

Nikon D700 + Tamron 28-75mm F2.8 XR Di
東京における戦前戦後を生き抜いた
貴重な建造物がまたひとつ姿を消そうとしています。

Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
その筋(どの筋!?)には有名すぎる東京都にある同潤会アパート
ちなみに同潤会アパートとは大正から昭和初期にかけて東京・横浜において
関東大震災からの住宅復興を目的として建設された集合住宅。
かつては16ヶ所に渡って建設されたが 老朽化による解体や建て替えなどで
現在残っているのはこの上野下アパートのみとなります。

Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
しかしこの唯一残っていた上野下アパートも
実は今年解体される事が決まっているのです。
老朽化でいたしかたない事情も分かりますが実に残念すぎる結果。
日本の建築物を語る上でも貴重な存在であるのは間違いない筈なのに。

Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
昨年 明らかになった解体のニュースを目にした私は
なんとか機会があれば解体前に一度目にしておきたいと思っていたのですが
運良く、その機会に恵まれる事ができました。

Nikon D700 + Tokina AT-X 16-28mm F2.8 PRO FX
これがあの同潤会アパート…
目の前にしたその姿は周りの住宅建造物に溶け込む事もなく
異彩を放ちながら存在していました。


| ホーム |