Prologue -摩耶観光ホテル-
注:今日は文字が多いです。語らせていただきます
(演出上、本文中に多少誇張した表現がございます。予めご了承下さい)
9月某日、私は夜の高速を車で走りながら
いまいち盛り上がらない気持ちに違和感と苛立ちを覚えていた。
今から日本でも屈指の廃墟に向かうというのに。
早朝。現地に到着し軽く仮眠をとった後、険しい山道を登った。
「ソコ」へ向けて。
しかしまだ気持ちにスイッチが入った気がしない。
なまった体にムチを打ち、途中崖から足を滑らせ、
疲れきって引き返そうかという気持ちをも頭に浮かべつつ
必死に登った先に 「ソレ」 はあった。
マヤカン
あまりにも有名で、あまりにも美しい事で知られる廃墟。
ソレが目の前に現れた時、まだ私の中には変な違和感が残っていた
興奮しないのである。
あのマヤカンが目の前にあるのに。
沢山の有名サイトや写真集で目にした、
あの廃墟がそこにあるのに。
ただその時、体の奥に感じる「ある感覚」に気付いた。
これに似た感覚は以前に経験した事がある
それは―
端島に初めて上陸した瞬間に感じた感覚。
あまりにも非現実すぎる光景に
興奮する事もなく、ただただ心が無になる様な感覚
心がまるで波ひとつない凪の海みたいな感覚
しかし、そう時間もかからずその穏やかな心が
次は興奮に震えだす事になる
そう思った時、私の中にあの端島に初めて行った時の記憶が
フラッシュバックしていた
ただ違ったのは端島の場合、上陸した次の瞬間に一気に興奮が
襲って来たのに対し、ここ摩耶はシャッターを切るにつれて
どんどん心の奥から湧き上がってきた感じ。
引き込まれて行ったと言うべきか。。。
とまぁちょっと小説仕立てにしてみましたが (/ω\)ハズカシーィ
あながちウソは言ってないんですね、これが。
正直に言います。私は摩耶観に対し、そこまで強い執着心はありませんでした。
あまりにも有名だし、沢山素晴らしい写真もweb上にあるし。
まぁいつか行く機会があれば行こうかなぁ?くらいな感じ
だからこの「違和感」の正体も分かってました
「せっかく摩耶に行くんだから気合入れていこーぜい!」
と自分を奮い立たせようとしても
イマイチ盛り上がらなかったんですよ。ホント
ジッサイに摩耶観を目の前にするまでは。
しかしそこは流石に日本を代表する廃墟さん
いや、素晴らしかったです
中に入った瞬間、みるみる自分が紅潮していくのが分かりました
キタキタ!これ!この感覚だよ!
まぁあとはいつも通りの私ですねw
「ウッヒョォォ―――!!」
と心の中で叫びながらシャッター切ってました。
(ホントに叫んじゃ怒られちゃうからね^^)

Ricoh GR Digital III

Nikon D200 + Nikkor AF ED70-300mm F4-5.6D
という事で明日からマヤカンです。ごひいきに。


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